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ウラ↓

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例)2003年1月2日のメモ
http://www.ka-ko.net/aakk/
memo/0301.shtml#02


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・栗Qサイト内の個人ページ→ ニュートの口使い

20020929(sun.) 13207/X

上領(亘)くん、ダリエちゃんがやっているCROWというバンドのライブを原宿アストロホールに見に行く。おまけに今日は中学の同級生で役者の甲斐くんも客演として出演するというじゃないか。どんなライブなのかなと思ったら、なんだか今までに見たことのないすごいライブだった。シェイクスピアの戯曲が曲と曲の間に挿入されていて、ま、一言で云うとカッコいい系(笑)なんだけど、上領くんは相変わらずセクシーで、いっしょにやっていた頃は自分の方があきらかにセックスアピール度が低いことを真剣に悩んだものだ(笑)。しかし、ダリエちゃん、すごいことになってたなあ。あんな一面があるだろうことは何となく感じていたけど、あそこまでああだとは(笑)。久しぶりの大音量ライブで疲れたけど、三人とも演奏力、歌唱力、演技力がしっかりしているので心底楽しめた。

20020926(thu.) 13204/X

ひとつ手前の交差点を曲がるか、その先の交差点にするか?
到着時間に多少の差はでても、目的地は同じだと信じている。

20020924(tue.) 13202/X

先月モニタースピーカーを店頭で試聴した時にちょこっとリファレンスとしてかけたベックの「Mutations」。つまりそれくらい聴きこんでいたわけだけど(というか音のいいCDそんなに普段聴かない)、その続編と言っていい、新作「Sea Change」が出た。うわー、これまた音いいなー。しかも渋い。今回はストリングスが導入されていて、さながらニック・ドレイクの「Five Leaves Left」の世界だな。KRK V4で聴くとさらにベースがズシーンと来て気持ちよい。あまり気持ちよくてつい居眠りしてしまう。

20020923(mon.) 13201/X

夜、里帰りから帰ってきたカーコさんを東京駅へ出迎えに。

その帰り道、初台Doorsへ立ち寄ってシカラムータのライブ。実は生で見るのは初めて。渋いなー。ゲスト出演のLars Hollmerもちょっとだけ見れて得した。

しかし川口くんは栗コーダー以外ではなんであんなにかっこいいんだ。

20020921(sat.) 13199/X

ライブの次の日のギター教室は寝不足だったりしてしんどい。早起きするとプチ時差ぼけ状態でその日一日ボーっとしてしまうハメになる。

かーこさん里帰り中につき、久しぶりに独りを満喫中。スズムシ鳴いてるなあ。

20020920(fri.) 13198/X

栗コーダーカルテット4ヶ月ぶりのワンマンライブ。もう8年もやっているバンドなので、リハーサルと言ってもあまり音は出さない。スタジオに集まっていながらほとんどミーティングで終わることもある。音を出しても指ならしというかリハビリみたいな感じ。

最近では曲順も俺に一任されていて、ライブ前日の夜の気分で考えるので、全くリハでやらなかった曲ばかりになることもある(笑)。今回、「インスブルックよさようなら」「Amazing Grace」「今こそ別れ」「La Grima」などの曲を選んでしまったのは、やっぱ自分がまだしみったれた思いを引きずっている証拠かもしれない。

なかでも、やっぱりAmazing Graceのメロディってすごい力あるなあとやりながら思った。どんなお茶目なアレンジでやっても(いや、だからこそ逆にかもしれないが)切ない。

ちなみに掲示板で「曲でも作るかあ」と書いた後、今朝になって本当に曲を作ってしまった。もちろんそんな出来たての曲を今日のステージでやらない手はないので、しっかりメンバーにも演奏してもらった。

20020915(sun.) 13193/X

納骨堂に整然と並んだ居酒屋の下駄箱みたいな小さなスペース。そこが近藤家の墓だ。じいちゃんもばあちゃんもそこに入っている。おふくろも49日を過ぎたらそこに入ることになる。いっしょに過ごした最後の夜、「死んだっちゃよかけんコーラば飲ませて」と懇願されたが叶えてあげられなかった。そんなおふくろへのせめてもの罪滅ぼしに墓石を建ててあげたい。そしてコーラは石が溶けるから無理にしても、たっぷり水をかけてやりたい。

はっきり言って貯金はゼロ。かーこさんが貯めていた引っ越し貯金を使ってもいいと言ってくれたので、甘えて借金することにして、実家の親父に電話。墓を建てようと持ちかけてみた。しかし…、

父「荒木んもんはみんなあそこ(納骨堂)に入っとる。誰も墓石は持っとらん。」

俺「今まで仕送りもまったくしとらんし、その分ちょっと無理したっちゃよかけん、俺らが墓建てちゃるって。」

父「死人にしてみりゃ何処で眠ろうがいっしょたい。墓ば建てたいっちゅうのは生きとるもんの考えることやろが。」

俺「とか言うて父ちゃんも死んだらあそこに入ることになるとばい。」

父「よかよか。それよか墓ば建てる金があるくらいなら、それば生きとるうちに自分のために使え。」

……。

うむむ、確かにこんな真剣になるくらいなら親が生きているうちにもっと何とかしとけよって話でもある。「孝行したい時に親はなし」って諺に見事にはまっている自分が情けない。

※こういう話を書くと本当に暗くて落ち込んでいるように見えるかもしれませんが、そうでもないので皆さんあまり気にしないで下さい。人が死んだ時くらいしか、こんなことは考えることがないし、いつもその時々、一番感じていることを誰にも気を使わず素直にここにメモすることがモットーなので…。やっぱりしばらくはこんな話が続くかもです。

※それから、これまでにないほどたくさんの方からお悔やみメールをいただきました。レスは遅くなるかもしれませんが必ず書きます。とりあえずこの場を借りて、お心遣いありがとうございました。

20020908(sun.) 13186/X

楽しいことを書きたいんだけど、そんなに楽しいことないなあ。

指輪ホテルの女優さんにもらったカスピ海のヨーグルトを食べてみた。最初はあまり美味しくなかったけど、だんだん慣れてきた。しかしこの菌すごい生命力だなあ。指輪の女優さんもみんなブリーダーらしい。(そういえば2日目終演後、軽い打ち上げがあった。あやうく「イッキ」とか始まりそうなほどのすごい弾けっぷり。みんなパワフルだな。)

ギター教室。基本的にお稽古ごとなので受け身な生徒が多い。俺がもっと好奇心旺盛な先生だったら生徒ももっと積極的になるのかなあ、なんて考えすぎてみたりする。

かーこさんが赤い自転車を買ったので、今日は二人で仙川までサイクリング。都市開発進行中の仙川駅前はユニクロやらスタバやらが出来てお洒落な街になっていた。

かーこさんが玉葱を切らずに自分の指を切り落とした。ほんのちょっとだけど左手薬指の肉がなくなった。なので替わりに肉じゃがを作った。

「シンデレラ2」を見た。ビデオのみのリリースらしい内容だった。

仕事が忙しいとすごく楽だ。お金は儲かるし、余計な考え事をしなくて済む。

20020902(mon.) 13180/X

正午から母の葬儀。仕事があったので出棺までは立ち会えなかった。お焼香だけあげて葬儀場をあとにした。東京に戻る飛行機の中で、母の身体が灰になるのを感じた。

昨日送られてきた月刊笛仙人の中に、関島さんが書いた「けむり」というお葬式ネタの寄稿が載っていた。
母と同じ誕生日のいさ子ちゃんのバースデイパーティに誘われていたが、「仕事でいけない」と返事していたら、今日「グッドラック!」という返事が返ってきた。
そして今日始まった指輪ホテルの芝居。台詞の中にあまりに母の死とかぶるシーンがあり、舞台後方でギターを持ったまま苦笑してしまった。(初日にもかかわらずリハーサルを欠席したことをここでお詫びします。)

シンクロニシティでもなんでもなくて、ただ死に敏感になっているだけだ。また時間が経てば、そんな台詞は居眠りしている間に過ぎてしまうことになる。そして悲しいことも楽しいこともほどよく忘れていく。

20020901b(sun.) 13179/X

朝10時15分。おふくろが死んだと連絡があった。下のメモをアップした直後だった。あさっての仕事が終わったらすぐ帰ろうと思っていたのに急なことで間に合わなかった。でも本当は28日に「あと2週間くらいしかもたないだろう」と連絡を受けていたし、今日は一日休みだったので、帰ろうと思えば昨日のギター教室が終わった後にでも帰ることが出来ていた。それを選択しなかった自分を先ず後悔した。

バタバタと身支度をして福岡へ。いくら飛行機は速いとはいえ、なんやかんやで久留米までは5時間以上かかってしまう。遺体は一度実家に帰った後、既に葬儀場へ運ばれていた。俺らが着いた時、ちょうどお通夜での読経が始まったところだった。

棺の中を見る前に先ずお焼香をあげた。そして棺を覗き込んだ。とくにプロによる死に化粧もしていなかったけど、険しい表情でもなくてよかった。もともと頭痛持ちの母はいつも眉間にしわを寄せていたが、それもなく穏やかな表情に見える。額も黒ずんでいない。髪の毛もつい先日切ってもらいブラッシングしてもらっていたようで綺麗だった。顔だけ見ればただ眠っているように見える。でもピクリとも動かない。

一月半近く不眠不休で看病してくれた熊本のおばちゃん(母の姉)や親父の話を改めて聞く。闘病生活の痛々しさがリアルに伝わってきて、その痛み苦しみをちっとも理解していなかった自分をまた悔いた。一月前に俺が行った時はまだただの下痢だったが、その後徐々に血が混じるようになり、最後の方は輸血してもそれをそのまま全部下血していたようだ。口の中や舌は口内炎で見るにも耐えないほどボロボロになっていたらしい。腸炎が拡がってきっと内臓は全て炎症を起こしていたのだろう。そして昨日から突然下血が止まっていた。そして吐血。今朝の吐血がひどく、そのショックで意識を失った。簡易的な人工呼吸で一時自呼吸を戻したが、10時15分、息を引き取った。死因は「腸炎、吐血によるショック死」になるのだろうか?

しかし、なぜ腸閉塞で入院した母が、閉塞状態の回復後こんなにひどい炎症を起こしたのか? そして腸炎とは現代医学を持ってしてもそんなに治らない病気なのだろうか? 同じ疑問を親父が主治医に問うてみたら、「もし何か不審に思われるのでしたら法医解剖しましょうか?」と言われたらしいが、死体を切り裂いたところで死人が生き返るわけでもない。「けっこうです。」と答えたらしい。ただ残念なのは、まだ病状が悪化する前にせめて内視鏡を入れて検査していれば、炎症を起こしている部分が特定できて的確な処置をとれたかもしれないのに、それが出来なかったこと。

身近な人の死はリアルすぎて悲しみが湧いてくるのには時間がかかるようだ。ともかく母はいなくなった。ちょうど64年間乗り続けた身体だけがここにある。

20020901(sun.) 13179/X

朝9時。今日はおふくろの64回目の誕生日。そしておそらく最後の誕生日。さっき8時頃「ここ2,3日が峠です。」と病院から電話があった…。

ひと月前に東京に戻ってから、何度か電話で様子を聞いていた。一時は血圧も100台まで上がり、CTの検査でも悪性のものが見つかったわけでもなかったようだが、先月下旬からお腹にいた菌が血液を通って全身にまわりはじめたらしい。二ヶ月も絶食し、水で口をゆすぐことしか出来ない様な身体で、抵抗力が弱らないはずがない。最近では口内炎がひどくなり、その一滴の水でさえ口に入れられない様な状況になっていたようだ。あと輸血を何度か行ったそうだ。

明日あさってとライブがあるのでひょっとしたら死に目には立ち会えないかもしれない。どうか苦しまずに安らかにね。最後まで親孝行できなくてごめん。

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