20030706(sun.) 13487/X
宅急便とリミックスにまつわる珍事。
一度ミックスしたものを改めてミックスし直すわけだから、リミックスが起こるような仕事はだいたい儲かっている仕事だ。国内外問わずいろんな人に発注して、バイク便やら、国際なんとか便やら、最近ではネット回線なんかを使って、いろんなデータがあちらこちらにトランスポートされるわけですね。バブリーですね。かっこいいですね。
只今がっぷり四つで作業中のゲーム音楽のリミックスは、「なるべく原曲のイメージを大事に」という条件付きで、実際に作曲者の方の意見も聞きつつというスタンスなので、どちらかというとリアレンジという表現が近いのかもしれない。
ただ気持ちだけはリミックス感覚でやってみようという自分内テーマもあり、演奏をお願いした数人のミュージシャンにはカラオケのファイルだけを渡し、それに合わせて個人で勝手にダビングしてもらい、録音したファイルだけを戻してもらう、という作戦をとってみた。
もちろん、パラレルで作業する分、時間が有効に使えるというメリットもあるし、録音のディレクションをすることになると、そこに人間間のコミニュケーションが生じてしまい、作業中、特に引き篭もりがちになる自分にはそれがしんどい、という宅録人間まる出しの理由もある。
さて、ここからが事件。
そんなわけで関島さんにダビングをお願いして、約束の日までに宅急便でブツを戻してもらったようなのだが、その宅急便が届かない。同じ都内なのに3日経っても届かない。
運送会社のトラブルかなと思ったが、とりあえず急いでいたので、関島さんに改めてデータを焼いてもらい、昨日リハーサル中のスリルのスタジオに関島さんを訪ねて行った。
と、ところが、今度はそのスタジオが開いてない。玄関に鍵がかかっている。ピンポンと何度か呼び鈴を押すが誰も出てこない。ポストに書いてあった会社の電話番号に電話してみるが留守電になっている。確かに聞いたのはこの駅のこのスタジオのはず。
ここで考えたのは、この近くにもう一件同系列のスタジオがあって、オレが場所を勘違いしたのかもしれないということ。ただ、関島さんは携帯電話を持っていないので連絡がつかない。川口くん経由でスリルの小山さんの電話番号を聞きだし電話するが留守電。関島さんの家も留守電。ウチにいたカーコさんにネットでスタジオの情報を検索してもらうが見つからない…。
ちょっと途方にくれていたら、前方を自転車で走る郵便屋を発見。走って追いかけて、この近くに同じ名前のスタジオが他にあるかと訪ねたが、「ないと思います。あそこだけですね。」という答え。訳が分からなかったが、このままここにいてもしょうがないので次の現場へ。
次の現場は栗原宅。栗原くんにも同じやり方でダビングを頼んでいたが、アーティスティックな時間曲線に歪められ、ファイルがまだ作成されていなかったので、結局、こちらから出向いて録音させてもらうことになった。
…と、移動中の車内で携帯に着信履歴が。関島さんから伝言が入っている。「今、リハが終わってロビーに居るので、いつ取りに来てもらってもいいですよ。」。あれれ? さっきのスタジオは電話しても誰も出ないので、もう一度小山さんに電話してみると、横にいた関島さんに替わってくれた。そしてショッキングなこと発覚。なんとスリルはやはりさっきオレが行ったスタジオに居たらしいのだ。玄関はオートロックがかかる仕組みになっているらしい。そのスタジオは本来、別の業務の会社なので、休日の昨日は誰もいなかったらしい。オレが居た15分間ほどは全く音が漏れてこなかったが、たまたま休憩中だったのだろうか? うむー、運が悪すぎる。
そんなこんなで栗原宅に到着。ざっくりと録音後、雑談していたら、朝、栗原くんと関島さんが一緒だったことが発覚。なんだ、事前に分かっていたら、関島さんから栗原くんにデータを預けておいてもらうことも出来たのにー。やー、それにしてもリアルワールドでもこんなに「ファイルが受信できません」なことってあるんだなと談笑して帰宅。
そして今日、本番前リハーサル中のスリルを訪ね下北沢タウンホールへ。やっと関島さんからデータを受け取ることに成功。中学生ブラスバンドとセッションするらしくなんか楽しそうなイベントの気配だったが早々に帰宅。
そして家に戻ると、紛失したと思っていた宅急便が届いていた…。
チャンチャンといきたいところだが、まだ続きます。
不審に思って荷物に書いてあった「お客様問い合わせ番号」をネットで調べたら、3回もウチに来たことになっていた。「不在なので持ち帰りました」というテキストが細かい時間と共にHTML化されている。が、ウチには一度も不在票が入っていたことはないぞ。
たぶん推測するに、ウチの電話はいつも留守電にしてあるのだけど、ウチに荷物を届ける前に電話で確認していて、いつも留守電なので実際には一度も届けに来ていないのではないかという気がする。なんだかなー、仕事怠慢してるんじゃねーぞー、ヤ○ト運輸。(ウチに荷物を送ることのある方は別の運送会社をご利用下さい。)
というわけで、このデータ受け渡し騒動のおかげで、ある意味リミックスの醍醐味を存分に味わっているような気がする今日この頃であった。
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