20030916(tue.) 13559/X
二日続けて東京国際フォーラムへ。今日はジョアン・ジルベルト。
19時5分、開演時間を5分過ぎたところで場内アナウンス、「アーティストがまだ会場へ到着していません」。あらま。ジョアンの奇行を予測していた場内のお客さんからは拍手。その後、約10分置きにアナウンスが入り「只今会場に向かっています」「今、到着しました」「準備中ですのでもうしばらくお待ち下さい」などと続き、その度に客席の拍手が増え、雰囲気を盛り上げる演出みたいになっていた。で、ある意味予定通り約1時間遅れで本編スタート。
暗転になってしばらく間があった後、ギターを片手にやや老いを感じる足取りでステージに登場。軽く一礼した後、チューニングはせずにおもむろに歌い出した。もちろんドカンと来るわけではなく、ふっとフェードインしてくるような感じ。5000人を前に部屋で弾き語りを始めたという印象。序盤で2回「声の調子が悪い。」みたいなことをボソっとポルトガル語で喋った以外普通のMCはなく、黙々と歌い続ける(早川義夫さんみたいな感じ)。ウチにある2枚のライブ盤に比べるとさすがに声の張りはないが、でもグッと渋い枯れた感じで、これもまたいい感じ。決して力強い歌い方ではないけれど、小さいところがほんとに小さいからメリハリは効いている。ダイナミックレンジの広さに音楽の豊かさを感じるんだよな。
ギターはお見事の一言。弾き語りのギターとして完璧だった。コードは絶対間違えない。リズムも転がり続けて止まらない。歌は演歌と一緒ですごく伸び縮みするのだけど、それでもギターのリズムだけは絶対に狂わない。完全に歌とギターが分離しているようでもある。かと思うと息を吸う音がものすごく綺麗にリズムにはまっていてパーカッションの一部みたいになっている。これが絶品。吸気が大事なんだな。フジロックのニック・ロウでも同じことを思った。
15曲くらい歌って「ディサフィナード」で本編終了。会場から割れんばかりのアンコールの拍手。1分も経たない内にすぐステージに戻ってきて、アンコールに応え「フェリシダージ」を歌い終わったところで突然フリーズ。動かなくなってしまった。最初は拍手がおさまるのを待っているのかと思ったけど、あまりに長い。ピクリとも動かないので、「ひょっとしてこれってあしたのジョーならぬ、あしたのジョアン状態?」とか思ったり、鳴りやまぬ拍手の中会場中が段々?マークに。
で、固まったまま20分! ようやくステージ袖からツアークルーが出てきて、ジョアンの肩をポンと叩くと、我に返ったようにおもむろにポルトガル語で何か喋って、最後に「アリガトジャポン」だって。そんで「コルコバード」から10数曲歌ったかな。第二部かよって突っ込みたくなるくらい長いアンコール。ヒット曲オンパレードって感じ。最後は「イパネマの娘」で幕。時計を見ると22時45分。
空調が止められていたこともあって、ちょっと蒸し暑くまったりとした、時間、空間ともにブラジルって気分だった。やーすごかった。
それにしてもあのフリーズはなんだったのだろう?
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